施工例
ダイニングからリビングを見る。元々は3間続きの和室だったが、一部を吹き抜けとし、高窓を設けたことで日中は照明がなくても常に明るい。
既存にはなかったのが大きな高窓と吹き抜け。この窓のおかげでリビングや階段室、廊下まで室内がかなり明るく開放的になった。
リビングからダイニング、玄関を見る。間取りは既存の住まいのものを生かし、和室から無垢の秋田スギのフローリングに。スギ独特の赤身と白太のバランスが室内にリズムをもたらす。
玄関からリビングを見る。既存になかった玄関ドア横の袖窓が自然な明るさをもたらす。
階段も既存を生かしつつ、元は絨毯仕上げだったものの上から無垢の秋田スギで仕上げた。水回りなどは位置は変えずに設備を一新することで機能性がぐんとアップ。
ダイニング全景。カウンターの向こう側にキッチンがある。対面キッチンでありながら、壁で適度に仕切るセミクローズ型で使いやすい。「従来は壁付けにするところを回遊性を確保するために窓側に通路を設けました」と池田建築店の池田さん。
既存の躯体を生かしたリノベーションとなったG邸。縦張りの木の外壁はつなぎ目に細い板を重ねて打ち付ける押縁張りを採用した。防水性が高いというメリットもある。
1階洋室。当初は間取りの変更も含めた平屋への建て替えをイメージしていたことから、1階のみで暮らしが完結するようにシフトチェンジ。元の間取りを生かすリノベーションとなった。
2階洋室は日当たりが良い角部屋。「普段、自分たちで使うことは少なそうですが、娘夫婦が遊びに来たときなどに使うことをイメージしています」とGさん。
秋田スギをふんだんに使った外壁は既存の庭とも自然に寄り添う。
帰る場所を守るための断熱改修リノベーションという選択
古くなった実家をどうするか。2023年のデータで国内の空き家数は900万戸、空き家率は13.8%と過去最多を記録したとされる(総務省 R5年版「住宅・土地統計調査」より)。現在は関東に住むGさん夫妻にとっても、"実家問題"は長年の心配の種だった。
「いずれは故郷に帰るかもしれない。でも今は関東に仕事があるし、人が住まない家は傷んでいくのでどうにかしなきゃと頭を悩ませていました」とGさん。
一念発起したGさんは秋田県内のビルダーのウェブサイトを一つひとつチェックしていった。「そのなかでリノベーションの案件を事例としてしっかり掲載している印象を持ったのが池田建築店さんでした」とビルダー選びを振り返る。同じ県北エリアである点もビルダ―選びの決め手の一つとなった。
実家の建物は築年数が経っていたものの、構造体はしっかりしていたため、間取りを大きく変えずに既存の形を生かすプランが採用された。「当初は平屋に建て替えることも考えましたし、間取りの変更も希望していましたが、池田建築店さんがコストのかかる部分と抑えられる部分を丁寧に説明してくれて。最終的に納得のいく形で改修することができました」とGさん。
壁の内部に断熱材を入れ、天井には断熱材を吹き込む断熱改修にも力を入れた。「見た目を大きく変えずに、性能だけをしっかり上げてもらえたのがありがたかったですね」とGさん。住まいには吹き抜けも設けて、日差しを取り込む工夫もなされており、自然光が室内にやさしく広がる。
「明るい空間になって、気持ちも明るくなります」と話す。現在は関東との行き来を続けながら、将来的な帰郷を視野に入れつつ、今は季節のいい時期に滞在するセカンドハウスとして活用している。人が出入りし、手が入ることで、家もまた息を吹き返した。Gさんにとって、この改修は『帰れる場所』を守るための確かな一歩となった。
(JUUの掲載文より)
Data
家族構成 夫(70代)、妻(70 代) |
主な仕上げ材 |