施工例
外仕事の一家の疲れを癒し、精気を養う五つ星住宅性能
専業農家である一家が求める暮らしやすさは、会社勤めの家族の要望とは少し異なる。
一日の三食を家族一緒に自宅で食べ、ご近所との
付き合いも深く、たくさんの人が日に何度も出入りする。
この住まいは玄関に入ると、玄関ホールとひと繋がりの土間ダイニングがあらわれる。
「自分たちのお茶のときにも便利だし、相談や打ち合わせに来る人に立話をさせないで、
靴を履いたまま腰掛けてもらえたら、という発想です」と奥さん。
玄関の開閉が多く、仕切りのない開放的な空間でも寒さをまったく感じないそう。
その理由は、省エネ性能の第三者評価機関「BELS(ベルス)」で最高ランクを得た住宅性能にある。
忙しい農作業の合間にある休息の時間を、五つ星の暖かさと無垢材のぬくもりが優しく抱擁してくれる。
朝は親世帯、昼と夕飯は息子世帯が食事の支度を担当するため、
どこに何があるのか誰でも一目でわかる収納計画がキッチンの設計の要となった。
「うちは「見せる」ではなく「見える」収納。隠すために開閉の手間が増える扉をつけるのは、
家族の個性に合わないと思って省略しました」と笑う奥さん。
その哲学は家全体の収納に徹され、建具の予算を素材や建物性能に資して、
オープンな収納によって一家の個性がインテリアとして住まいに反映されている。
「玄関から見えるので、綺麗にしておかないといけないのが
大変ですが、希望通りの仕上がりです」とにっこり。
池田建築店の施工例を見ていた際、造作されたキッチンや洗面所
の雰囲気が気に入り、仕上がりを楽しみにしていただけに、
たくさんの要望を余さず完成した自邸に喜びもひとしおだ。
ダイニングの床材の切り込みに蓋に隠れたコンセントの差し込み口がある。
掃除のためかと尋ねてみると、答えはホットプレート用。
食の喜びは生の喜び。
細部に至るまで、つとめて明るい一家の個性が宿っている。
(住まいの提案秋田の掲載文より抜粋)
Data
敷地面積 / 303.58㎡ ( 約91.99坪) |
工法 / 木造在来工法 |